知られざるサドゥの実態とは。ネパールの木彫りババマスク

イタリア人の友人が、ネパールのカトマンドゥで購入したサドゥの仮面。
約70cmもある大きな木製の仮面。
「見せたいものがあるんだ♪」と、嬉しそうにバックパックから何かでかいものを出してきたなと思ったら、まさかの笑顔の怖い仮面でびっくりしました。

部屋に飾ってあったら子供が絶対泣くやつだ。

ネパールってどんな国?

ネパールはインドの右上に位置する、インドに比べれば小さな国。
国土はインドの1/22の大きさですが、それでも北海道2個分くらいはあります。

ネパールで一番有名な物と言えば、やはりヒマラヤ山脈、エベレスト
世界には8000m級の峰が14座ありますが、そのうちの8座(エベレスト、マナスル、チョーオユーなど)がここネパールにあります。

農業以外の産業の大部分はこのヒマラヤでの観光業で、ヒマラヤトレッキングは特に人気。

ヒマラヤ山脈を登るなんて、相当の登山家でないと無理なんじゃないの?

ヒマラヤ山脈と聞くと「世界一の山!!」ということで身構えてしまうかもしれません。
しかし実は、ヒマラヤトレッキングはそんなこともなく、気軽に参加できちゃいます。
ピッケル片手に8000m級の峰に登るようなものではなく、その大パノラマの景色を見ながら気軽にトレッキングができるコースを回るものなので、誰でも参加でき安心です。

様々なコースがあり、「14日間コース」を回った友人カップルは、間違いなく人生で最高の経験だったと言っていました。
雪山、緑の大地、岩肌、砂漠、川と、ヒマラヤトレッキングでは毎日違う景色を見ることができ、14日間まったく飽きず、新鮮な景色と体験を楽しんだそうです。
14日コースに行くなら、できれば体力があるうちに行っておきたいですね。

また、ネパールはフェルトなどかわいい布系お土産でも有名です。
農業、観光業の次に割合の多い産業が繊維産業で、お土産屋では様々な種類のネパール雑貨を見ることができます。

ヒンドゥー教とサドゥ

ヒンドゥー教

さてそんなネパールですが、宗教はヒンドゥー教徒が8割以上を占めています。

■ヒンドゥー教は世界で3番目に信者の多い宗教
・キリスト教徒22億人
・イスラム教徒13億人
・仏教徒4億人
・ヒンドゥー教徒は11億人!

日本では、世界三大宗教といえばキリスト教、イスラム教、仏教と言われているので、仏教徒よりはるかに多いのは意外ですよね。
ヒンドゥー教がそこに入っていない理由は、ヒンドゥー教徒のほとんどがインド人かネパール人のみで、地域が限定されているからだそうです。

■ヒンドゥー教の三大神
ブラフマー
ヴィシュヌ
シヴァ

ヒンドゥー教は、もともとインドにあったバラモン教に、様々な土着信仰や神々、習慣が混ざり合ってできた多神教です。
インドではカースト制度が有名ですが、これもヒンドゥー教の教えの一つに含まれています。
ヒンドゥ教徒の中でも崇拝する神によって派閥があり、現在はほとんどがヴィシュヌ教徒シヴァ教徒の二つに分かれているそうです。

サドゥ

さて、今回の木のお面。
「サドゥのマスクだよ!」とのことだったので、今回はサドゥについて詳しく調べてみました。

2種類いる?法的に死んでいる??借金逃れでサドゥに!????

調べてみると結構知らないことが多くて面白い。

サドゥとは、簡単に言うと、ヒンドゥ教の修行僧のことで、特に苦行、荒行をしている修行僧のことをさします。
ヒンドゥ教徒からは聖なる存在として敬われ、敬意をこめて「ババ」と呼ばれます。

■サドゥの数

ヒンドゥ教徒11億人中、500万人がサドゥになっています。だいたい220人に1人くらいですね。

■サドゥの目的

欲を排して、肉体的苦行や瞑想で、解脱するため
解脱とは、迷いなどの心の束縛からの自由を得ること、悟りを得ること。

■2種類のサドゥ

調べていくと、実はサドゥーは2種類いるという事がわかりました。

■普通のサドゥ
オレンジ色の服を着て、首に数珠を巻いている。オレンジ色の服は俗世を放棄しましたよというしるし。上の写真の右の人。
■ナーガ
ポケモンでいうとサドゥ進化系ですかね。オレンジの衣服を着ることすら放棄し、ふんどし、もしくはすっぽんぽん。聖なる灰を体中に塗っているサドゥがナーガと呼ばれます。髪もひげも剃らずに伸ばします。上の写真の真ん中と左の二人。

そういえば、オレンジの服を着た人と、ふんどし一丁で白っぽい肌の人いたなあ。あの白いのは灰だったのか!
てっきりその日の気分で服を着るか着ないか選んでいるのかと思っていました!笑

■サドゥの名前は10種類のみ

サドゥの名前はたったの10種類しかありません
入門時に10種類のうちから一つを与えられます。
クンブ・メーラなど、インド中からヒンドゥー教徒が集まるお祭りの際には、名前呼んだらみんな振り向いちゃって大変そうですね。

■サドゥは法的には死者

インドでは、サドゥになると法的に死んだことになるんです!
それを利用して、借金から逃れたりする人もいます。
サドゥ入門時に、生前葬を行う人もいるそうです。

生前葬なんて変わった習慣、生きながらに死んだことになるサドゥならでは。
日本では考えられないですよね。
でもそういえば、NHK連続テレビ小説「まんぷく」で、福ちゃんのお母さんが生前葬してましたね。
調べてみると、ビートたけしやサザンの桑田佳祐も生前葬すでにやっているそうです。
意外にも日本で行われているんですね。

■苦行、荒行

これがまさにサドゥの真骨頂。
苦行、荒行の種類は決まっていないので、人それぞれ思い思いの方法の苦行を実行しています。
例えば、
・インドを転がって縦断したサドゥ Lotan Baba
・40年以上右手を挙げたままのサドゥ Hands up Baba
・常に右足を地面につけないサドゥ
常軌を逸しているとしか考えられない苦行の数々。
「インド人もびっくり」という言葉がありますが、その前提は「インド人はびっくり人間である」という事ですよね。
なぜインド人がびっくり人間というイメージがあるのか、理由はこのサドゥの苦行のせいだと思いました。

木の仮面

最後に木の様々な種類の木のお面について。
ネパールでは、木の仮面のお店がいたる所でみることができます。
今回のお土産はサドゥの仮面でした。

お店では他にもガネーシャブッダの仮面も多くみられます。
国民の多くがヒンドゥー教徒のネパールで、ブッダなど仏教関係の木彫りが多くあるのは不思議ですよね。
実際仏教徒は1割くらいいるので、その人たちが作ったという可能性もありますが、理由はおそらくヒンドゥー教が多神教であること。

実はヒンドゥー教の教えでは、ブッダは最高神ヴィシュヌの9番目の化身とされているからです。
どういった流れでそうなったのか知りませんが、おそらく仏教よりもヒンドゥー教が上であると示し、仏教徒も取り込みやすいようにしたかったのかもしれません。

イスラム教でもありましたよね。キリストは預言者のうちの一人で、その予言者たちの最高位、最後の預言者がアッラーですよ、という流れ。
宗教は変わっても、教徒を増やそうとする方法は同じなんですね。

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